| 全国青年社会保険労務士連絡協議会 第2回全国大会 開会挨拶(1日目) |
(司会) 全国大会をただ今から開催いたします。 私、司会進行役を仰せつかりました青労会岡山支部の大島和彦でございます。どうか よろしくお願いいたします。 本日は、ご多用のところ全国各地より多数の皆様方に、ご出席いただきまして、ま ことに有難うございます。厚く御礼申し上げます。今日、明日と二日間の全国大会が 整然なる秩序のもと、本大会の目的を達成すべく実りあるものになりますよう皆様の 絶大なるご協力をお願いいたします。 それでは、本大会の大会次第に従い進行してまいります。始めに、開会の言葉を本大 会副会長の加藤良克副会長にお願いいたします。 (開会挨拶 加藤良克副会長) 皆さまこんにちは、私ども全国青年社会保険労務士連絡協議会の全国大会に昨年の 愛知県に続きまして、第2回の大会ということでたくさんの先生方にお出でいただき まして、盛大に開催をできますことを、まことに厚く御礼申し上げます。ありがとう ございます。 今日、明日と二日にわたりましての大会でございますが、ちょうど、この2000 年という非常に区切りのにいい年、また21世紀、来年に控えますこの新しい年への 掛け橋として、21世紀の社会保険労務士像というものを、いろいろ皆様方と創造し ていただいて、この二日間の大会が意義あるものになりますようご祈念いたしまして、 簡単ではございますが、開会の挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。 (司会) ありがとうございました。 続きまして本大会会長の河野順一会長にご挨拶をお願いいたします。 (河野会長) ただいまご紹介いただきました会長の河野でございます。 本日はこのように多くの方にお集まりいただき、大変ありがたく感謝しております。 昨年名古屋の地において第一回の全国大会を開催したわけでありますが、第2回目で ある今年は東京において、司法改革に造詣が深い各界の有識者の方々をお迎えし「規 制改革と社会保険労務士」についてご討議いただきます。そしてここにお集まりの皆 様と社会保険労務士の社会的役割、今後の進むべき道について理解を深めて参る所存 であります。 本日の基調講演では神戸大学教授でいらっしゃる阿部泰隆先生。シンポジウムに御 参加いただける労働評論家及び四天王寺国際仏教大学教授でいらっしゃる孫田良平先 生、埼玉弁護士会からは、高野隆先生、東京司法書士会からは松永六郎先生、そして 東京青年税理士連盟からは倉林倭男先生にお願い致しました。各先生にはお忙しい中、 当イベントの参加要請を快くお引き受けいただき、本当に有難うございました。この 場をお借りして深く感謝申し上げます。本日の基調公演とシンポジウム、そして明日 の中村敦夫参議院議員の特別講演と、来るべき21世紀に向け社会保険労務士制度の 歴史的1ぺージを刻む2日間となるよう、皆様の御支援、御協力を切に願うものであり ます。 さて、わが国は近年、政治、経済、教育、労働、福祉といったあらゆる分野におき まして未曽有の変革を余儀なくされています。護送船団方式に代表された保護政策は 今や過去の産物であり、自己責任の原則に立脚してはじめて、市場原理に立つ自由で 公正な経済社会が育まれるとの意識改革が急がれています。グローバル化された世界 市場で生き残りを賭ける為には、これまでの鎖国にも似た保護政策では対応しきれな くなったのであります。アメリカの戦略とも言えるIT革命が我国にも浸透した現代 に、訪れるべくして訪れた現象でありましょう。 このような時代を背景に政府レベルでは盛んに規制改革や司法改革が論じられてい るわけでありますが、果たして真に国民の側に立っての議論がなされているのでしょ うか? 去る平成11年7月30日、「行政改革推進本部規制改革委員会」から出された公 開論点では、「当事者や既得権者には都合のよいものであっても、もはや時代に合わ なくなった規制、弊害の方が大きくなっている規制、国民の自由な選択を過度に規制 している規制、高コストの原因になっている規制など、国民的見地から緩和・廃止・ 改革が必要と考えられるものについては聖域を設けることなく透明な議論を通じて是 非を問い、改革を進めて行くことが必要である」とプロローグに記されております。 かねてから私は弁護士法第72条の規定により、社会保険労務士ほか隣接士業者は 業として法律事務を取り扱うことが禁じられていることに疑義を持ち、講演や著書で その意見を発表して参りました。何故ならその立法趣旨は、事件屋の発生と 事件介入を禁圧するものであり、特定専門部内の有資格者のなす専門分野における法 律事務すべてを全面的に禁止するものではないからです。 確かに弁護士法第72条は、法に疎く識字率も低かった当時の国民にとっては、そ の権利保護の観点から非常に有益であったことでしょう。しかし高等教育が行き渡っ た現代において、その役割は既に終わっています。むしろこの法律の存在により、質・ 価格をはじめとした国民の多様なニーズに反し、良質なサービスの選択肢を奪ってい るのが実態であります。 まさに私の主張は、公開論点のプロローグと一致した内容ではありませんか。 私が主宰する任意団体「全国青年社会保険労務士連絡協議会」はこうした理念のも と、社会保険労務士に対しての、「労働社会保険諸法令にかかる、簡易裁判所での訴 訟代理権の付与」、「労働争議に関与する権限の付与」、「労使紛争処理機関を創設 するにあたり、必要とされる権限の付与」を求め、昨年9月より関係方面に一石を投 じ、議論を高めて参りました。 当初社会保険労務士は、全国社会保険労務士会連合会の規制改革への取り組みの遅れ が致命的であったため、司法書士、弁理士そして税理士といった積極的な取り組みが評 価された他士業からは一線を隔されており、政府の議論にあってはかやの外でありまし た。しかし我全国青年社会保険労務士連絡協議会は、全国各地で延べ20回に及ぶ規制改 革に関しての講演を行い、法定団体である全国社会保険労務士会連合会の機関誌に論文 を発表し、また社労士会の規制改革委員会では丁丁発止の議論を行いました。一方政府 の「規制改革委員会」や「司法改革審議会」、「司法改革の月刊誌」には数多の意見書 を送り、極めつけに自民党の「司法改革委員会」の席上では、社労士会を代表して堂々 の意見開陳も行って参りました。 その甲斐あってようやく社会保険労務士も議論の俎上に上るようになり、ことその点 に関しては嬉しく思っております。 また9/27朝日新聞朝刊の二面には「日経連が9/26まとめた司法制度改革審議会に提出 した最終報告では、社会保険労務士など隣接法律専門職を裁判手続き以外の調停や斡旋 の担当者として活用する、といった点も盛り込んだ」との報道もあり、ようやく国民の ニーズと社会保険労務士の職責が合致する動きが出てきた次第であります。 しかし一部弁護士会をはじめとする少なからぬ意見は、未だ旧態然とした弁護士法第 72条を金科玉条としています。「高い・遅い・威張っている・加えて専門性に乏しい」 と、国民からの苦情が後を絶たない弁護士が多くある現況を鑑み、良識ある法の担い手 は勇気を持ち、規制改革を一日も早く断行せねばなりません。隣接士業がそれぞれの専 門法的分野で、国民の権利保護に関してのサポートを行うことにより、当然司法制度は 国民からのアクセスが容易となり利便性が向上します。ひいては、国民の安全な生活を 確保することに寄与できます。よって司法制度はこれまで以上に憲法第13条に規定さ れた幸福追求権を具現化する手段として注目されるはずであり、結果として、国民から の信頼と理解も飛躍的に増すことは間違いありません。 ここに至るプロセスは、これから二日間の討論に詳しく語られるはずですので、ここ では省略しましょう。 「鎖国」か「改革」か。 …答えは「改革」しかありません。 詭弁方便を弄さず、あくまで国民的見地から緩和・廃止・改革の必要性を公平に問い正 したいものであります。 「ラブイズ・アクション。」愛は行動である。 徹底した行動をすると愛が生まれるのです。 皆さんのご家庭を振り返ってみてください。 もし一番愛する奥さんが交通事故に遭った、あるいは子供が交通事故に遭った、そした ら何よりもまずその場に駆けつけるはずです。これは愛があるからでしょう。 私も今、死にものぐるいでこの規制改革に取り組んでいるのは、まさに「ラブイズ・ア クション。」なのです。徹底した行動をしているから、愛するが故に、この業界を直すた めにやっているということを、ご理解していただきたい。 「ラブイズ・アクション。」これを合言葉に、全国青年社会保険労務士連絡協議会は、 規制改革の問題と取り組んで参りました。「ラブイズ・アクション。」理念に基づいて行 動しておりますと、行動すればするほど、取り組んだ事柄に愛着が湧いてくることをいい ます。 「社会保険労務士の法律家たる社会的役割」は、振り返れば私の開業当初からの懸案事 項であり、既に30年余りの歳月をこれに費やしております。コツコツコツコツ、少しず つ少しずつ、しかも片時も歩を止めることなく、また障害が立ちはだかろうともあきらめ ることなく、とにかくひたすら運動して参りました。この間、どれだけ多くの者が理念を 同じくして会に参加し、その運動の激しさから脱落していったことでしょう。 しかし、この活動・運動の成果として、私が必要性を訴え続けてきた審査請求の代理権 は、平成10年の社会保険労務士法改正により、獲得することができました。また私が言い 続けてきた社会保険労務士が法律家であるという意思付けも一般化されました。今、これ ら30年の日々が、私の脳裏を走馬灯のように駆け抜けております。 このように私の本件に対する思い入れは、ひとしおかつ真剣なのであります。 実は、11月6日、塩田代議士の先生から連絡がございまして、「衆議院労働委員会で君 たちの主張を取り上げるから、要望を出してみたまえ。」という話がございまして、要望 を出しましたところ、11月8日に衆議院労働委員会において、社会保険労務士の理解を、 私たちの主張していることを取り上げて頂きました。 これをまずもって報告いたします。 まだまだ話し足りないのが本心ですが、私にしゃべらせておくといつまでも話しており ますので、せっかく遠方よりお越しいただいた先生方の、貴重な御意見を拝聴する時間が なくなってしまいます。それではこの辺で各先生方に活発な忌憚ないご討議をご期待申し あげることとして、司会者にマイクをお返しします。 聞き手の皆様におかれましては、どうぞ最後までご参加いただき、国民に愛される法律 家社会保険労務士の実現を目指し、規制改革に関する御理解をより一層深めていただきた くお願いします。有意義な二日間をともに過ごしましょう。 (司会) ありがとうございました。 本当にいつも通り熱意のこもった力強いご挨拶ありがとうございました。まだまだ聞いて いたい気もするんですが、ほかの行事も詰まっております。次第にしたがって、進行して まいりたいと思います。 基調講演に入る前に、本日の日程について簡単にご説明したいと思います。今日お配り している資料の中に、カラー刷りの資料の一枚目のところに大会次第がございます。この 後、2時45分を予定しておりましたが、多少遅れております。5分、10分遅れており ますが、3時前まで基調講演があります。基調講演終了後、10分休憩をはさみまして、 5時までシンポジウムを行います。若干10分か15分ずつ、ずれこむかも分かりません。 それから、シンポジウムが終了後、シンポジウムの終了を持ちまして第1日目の研修会を 終了いたします。シンポジウム終了後、5時半より7時半まで懇親会を開催いたします。 懇親会の会場は、ここがC館でございますが、隣のB館の地下「ビアクラブ」のほうで行いた いと思います。以上のタイムスケジュールで進行していきたいと思います。ご協力をよろ しくお願いいたします。 それでは、本日の研修会前半の部基調講演を始めます。テーマは「規制改革と社会保険 労務士の役割」でございます。 ご講演に先立ち、講師のご紹介をさせていただきます。 本日の講師は、神戸大学大学院法学研究科教授 阿部泰隆先生でございます。先生のプ ロフィールにつきましては、今日お配りしているいまのカラー刷りの印刷の2枚めっくっ ていただくとプロフィールが載っております。また今日の阿部先生の資料の中でも自己紹 介という形でプロフィールが載っておりますので、ご参照いただきたいと思いますが。 先生は1964年東京大学法学部を卒業、その後同学部、助手、助教授を経て1977年神戸 大学法学部教授、今年2000年組織替えにより神戸大学大学院法学研究科教授となってお られます。ドイツ.ドリア大学客員教授でもあります。また、日本公法学会、租税法学会、 財政法学研究会、その他多数の学会の理事あるいは、NPOであります、21世紀政策構想フォ ーラム、神戸環境フォーラムの理事も兼務されております。1997年には、日本不動産学 会賞著作賞を受賞、1999年には、都市住宅学会賞を受賞されております。 専攻は行政法学ですが、行政争訟法、国家補償法 公務員法、その他多数の法学にも関心を 持たれており、さらにもっか、日本の法システムを改造すべく「日本列島法改造論」を提唱 され、新しい条例の設計、法制度、法制全般の見直し、また司法制度改革にも取り組んでおら れます。 主な著書としては、有斐閣より「フランス行政訴訟論」それから、今日受け付けの横でも 販売しておりますが、東洋経済新報社より「こんな法律はいらない」また新著といたしまし て、「司法改革と行政法」これが2000年度中に刊行予定ということになっております。 その他多数の著書を執筆されておられます。 それでは、ただいまより阿部先生にご講演をお願いいたします。なお終了時刻を2時50分 ごろでお願いいたしたいと思います。 それでは、阿部泰隆先生、お願いいたします。 基調講演 テーマ 「規制改革と社会保険労務士の役割」 (神戸大学大学院法学研究科教授 阿部泰隆先生) 皆さん、こんにちは。私は、行政法という学問をやっておりまして、たいへん恐縮な がら社会保険労務士の方とは、あまり縁がない科目です。そういうところにお呼びい ただきましてまことに恐縮だと思っておりますが、まあなぜかということになります と、おそらくはこの司法改革がらみで、「士」業のあいだの規制をもう少し、垣根を 緩めようとこういう主張をしていたところが、目に止まりまして、ということだろうと 思っております。 それで本日は、そういうお話をさせていただくのですが、行政書士という社会保険労 務士とは、親戚というか兄弟というか、そういう士がありますが、そちらの方の方から、 数年前、目をつけられまして。あちらも規制改革の波のなかで、まあ、将来の方向を 見定めるのを大変苦労しているところでありますが。兵庫の行政書士会のほうからは、 顧問になってくれと言われて、国家公務員ですので一応許可が要るんですが、許可を もらってアドバイスさせていただいています。 社会保険労務士は、行政書士のような幅広いものよりも、はるかに専門的なものだと 思いますが。 それで、私は、労働法をやっておりませんので、あまり存じないので大変申し訳あり ませんで、話しているなかであるいは誤解が生じるかもしれませんが、それは、大変恐 縮ながら、後でご教授いただければ助かると思っています。 それで今日は、社会保険労務士そのもののお話はあまりできないと思います。むしろ その周辺士業全般の規制緩和の話をさせていただいて、後、社会保険労務士の具体的な 話は、後のシンポジウムで皆さんのお話を伺うと、私もちょっとお話させていただくと 言うことで行きたいと思っています。 お話することは、お手元のレジメにありますが、それは、私が書いた論文を適当にひっ ぱってきたところで、長い文章は、ここにも写しておきました。ノートをとるほどの話 ではないと思っています。ただ、もうちょっと見ようと思ったら、とりあえず、今のと ころは「ジュリスト」と言う法律雑誌の2月15日号をご覧下さい。ただ、今原稿は、そ れをずっと膨らませたものがあります。まだ公表するところではなくて、『司法改革 と行政法』という本を出す予定です。そこに入れるための原稿として作っているとこ ろであります。これまた変な話、余談ですが、実はもっと早く出版しようとしたところ、 出版社が「今までの原稿を集めたくらいでは面白くないし、こんなの司法改革の波の なかで線香花火として、直ぐにパアになる。もう、将来を見据えた、後まで使える本にし ろ」と言われて、そうすると書き直しが大変だと苦労しているところであります。では、 肝心な話に移ります。 では、本日の話は、弁護士と隣接「士」業の「業務独占規制」の緩和という話です。 弁護士のほかに、司法書士とか、社会保険労務士とか、税理士、行政書士、弁理士とい った方々、これは在野の法律家であります。この方達の職務に関して特に、業務を独占 にするか、名称を独占にするか、それぞれどのように規制緩和してどのように垣根を 取っ払っていくのがいいのか、主として私見を述べるのですが、今までの動きをかな りふれたいと思っています。皆さん、私の意見を聞くよりも本当はどういう動きなの か、どうすれば垣根をもう少し取っ払えるのかというか、自分に有利にできるのかとい うことだと思いますが、ちょっと申し訳ないのですが、原稿がどうしても自分の意見 を中心に書いてありますので、それにそってお話させていただきます。 最初に業務独占、あるいは名称独占という事で、意義ですが、業務独占というのは「そ の資格を有する者以外はその業務を営めない」というので違反は処罰される。名称独 占と言うのは、「その「士」業の試験に合格するとか、登録とかしていなくてもその業 を行うことはできるのですが、試験合格者は、表示するという事で、市場で有利な立場 に立つ」ということです。それでここに挙げた「士」業のかたは皆今のところ、業務独 占の特権を有しておりますが、たとえば、社会福祉士、介護福祉士とか、あるいは、中小 企業診断士、技術士といったものの「士」業は、単なる名称独占です。だから介護につい ては、このような「士」の資格が無くても私でもすることができる。ただ私がやれば大 したペイはもらえない、資格があればよけいペイがもらいやすいということになってい るのです。それで私は、今の弁護士の業務独占として、弁護士法72条は少し行き過ぎ ではないか、ちょっと緩和したい、というとき整理の仕方として、ちょっとここへ書 きましたが、訴訟の代理というのと、相手方との交渉とか契約の代理というのと、それ からその他の「士」にわけていく。それでその他の「士」業の方には、訴訟の代理とい うのを多少簡易裁判所ぐらい認めてもいいのではないかと思っていますが。後、相手 方との交渉、契約代理権なども与えたらどうだろうということを整理していって、それ から、依頼者に対する法律相談業務とか、相手方のない役所への届出なり、登録、許認 可の申請などは、業務独占を止めて、基本的には市場で競争するほうが分かりやすいと 思っています。社会保険労務士の方は、相談業務とはっきり書いてあるので、まだいい のですが、必ずしもほかに書いていないところがあるしということです。そうすること になると、弱者が犠牲になるとよく言われるので、その犠牲にならないような仕掛けを どのように考えるかということをちょっとお話したいと思っています。 要するにある程度規制を緩和して、その弊害をどのように、チェックするか防止するか という話であります。基本的な考え方では今の世の中の流れですが、業界の既得権擁 護という姿勢はやめよう、我々の業界は食えなくなるじゃないかという話は聞かないと いうことが、今の司法改革のスタンスですね。そうではなくて、今の利用者利便の増大 というのが旗印ね。利用者の利便が増大した結果、衰退する業界があってもしようが ない。お互い努力をしてお客がつく業が勝つのだというこういうような考え方をして いるわけであります。それで、次に現行弁護士法72条の解釈論ですが、いわゆる一罪説 と二罪説というのがあります。二つ読み方があるのですが、ごちゃごちゃしていたけ れど結局は、一罪説でかたづいたのですが、この条文、本当に読みにくいんですね。 この条文見ますと、「弁護士でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審 査請求、異議申立、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件 に関して鑑定、請求、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの 周旋をすることを業とすることができない」と規定しているわけです。それでこの長 い条文、本当にわかりにくい、私は法の明確性の要請というのを話そうと思っていま すが。ここでは、まず一つ@、「法律事件に関する法律事務を扱う行為」と、もう一 つAで「法律事件に関する法律事務の取り扱いを周旋する行為」の二種類の行為様態 が予定される要件として、「報酬を得る目的」と、後「業としてしなすこと」の二つが あるわけですね。それでこの読み方で「又は」の前と後で前段と後段を分けると「報 酬を得る目的で」@の行為をなすことと、Aの行為を「業としてなすこと」の二つの 犯罪を規定したものという読み方もあるんですね。そうすると、非弁護士が「報酬を 得る目的」で@とAの二つの行為を「業としてしなすこと」を禁止するという読みか た一罪説もあるわけです。それでこの二罪説でいうのだと、「報酬を得る目的」がなく ても「業として」行った行為は処罰されるというので、処罰される範囲が非常に広い んですね。で、判例はかつて混乱しましたが最高裁の昭和46年の判決で、一罪説でかた づいた。これでほかの「士」業の方少し助かったわけです。で、弁護士会は、相変わら ず二罪説、採っている。弁護士会の本なんかに二罪説とっているものがありますが、 今、これ一罪説。そもそもこの規定は、非弁護士の職業の自由なり、市民生活の自由 を制限するものでありますから、十分合理的な理由がなければ、憲法違反のはずですね。 そうすると「報酬を得る目的」でも一回限りの行為とか、「業として」も「報酬を得 る目的」がない行為とかは、とくに弊害も大きくないから禁止するだけの十分な理由 があるかどうかは本当は疑問だったわけです。それで、罪刑法定主義という観点から いうと、条文上曖昧なものは、権利を制限しない方向へと解釈すべきだと言うことで、 これは、明らかに一罪説のほうが正しいと、二罪説を主張するのは、本当は、おかし かったと思うのですが。 次に、業務独占できる「法律事件」とはなんだという時に、この条文、これはしっ かり読まなければいけないと。この条文を見て、報酬を得る目的で、業として法律事 務を行えば、非弁護士がね、弁護士でない人が、弁護士法違反になると、こういうこ とを言っている人がいるのですが、そうではない。この弁護士法の3条、72条、しっ かり読むと、「法律事務」と「法律事件」と区別していると。それで「法律事件」 に関して「法律事務」を行うというのが、弁護士の業務独占なのだと。 それで、「法律事件」とは何だということになるのですが、「事件」という以上、紛 争があるものだと、判例の言葉を使うと、「法律上の権利義務に関して、争いあり、 疑義があり、または、新たな権利義務関係の発生する案件をさしている」ということ になっています。要するに、紛争がらみのものに限ると。 業務独占の規定というのは職業選択の自由を制限するのだし、違反したら刑事罰に処 されるのですから、これを広く解釈するのは、不合理だ。先ほど申し上げましたが。 したがって法律問題全体が、弁護士の仕事ではなくて、このように紛争性のあるもの に限る、というのがまっとうな解釈だろうと思います。それで、判例もそのように言っ ているわけです。あるいは、先ほど昭和46年最高裁判例はもっときつい言い方というか、 制限していまして、いわゆる非弁活動としては、「私利、私の利益をはかって、 みだりに他人の法律事件に介入することを反復する行為を取り締まれば足りる」とい う言い方をしているわけです。法律もこのような考え方、つまり紛争に関わるものだけ を弁護士の独占業務にするという前提でで、きています。いわゆるサービスサー法(債 権管理回収業に関する特別措置法)というのでも、こういう紛争があるものは、弁護 士の独占業務だという前提で制度を作っています。 要するに紛争性がなければ弁護士でなくても、あるいは皆さんのように、「士」業で なくてもどなたでもできるということになります。最近成年後見法がらみで、司法書 士さんが法律相談などやっておられるというわけですが、ああいうものは、紛争がら みでなければどなたもできるということになります。 しかし、ここで、紛争があるものと、無いものとを区別しなければならないので大変 だ、というお話を次にするのですが。まずその次に、訴訟と不服審査の代理業務という 所からお話します。まず、この訴訟の業務で緩和を求める声が各界から出ています。各 「士」業の方が言っておられるのは、当然なのですが、行政改革推進本部規制改革委 員会というところの、規制緩和推進3ヵ年計画というのでも業務独占の見直しと、それ で、司法書士、弁理士、税理士の訴訟代理権に関しては、司法制度改革審議会の審議結 果を踏まえて検討してくださいと、2001年度中に結論を得ることなんて言っているわけ です。自民党の司法制度調査会の今年5月の報告でも書いてあるのが「広く全国に分布 している司法書士とか、それぞれの専門分野において国民の法的ニーズに応えている 弁理士、税理士、社会保険労務士、行政書士などの隣接法律専門職種を活用するとで、 国民の司法に対するアクセスの拡充を図る」云々ということをいって隣接法律専門職 の活用に積極的な立場をとっているわけです。ただこれ、隣接法律専門職の方、なん でも自由に弁護士のところに入れるとまでは言っておりませんで、能力を担保するた めに特別の試験を作るということも言っております。 しかしながら、日弁連はといいますと、日弁連でも何度かいろいろなレポートがでて いたのですが、東京第2弁護士会は、ゆるいような提案をしたような気がしています が、この9月に日弁連の理事会が出した決定を見ますと相変わらず、非常に厳しい。 ここで、弁護士法72条問題に関する基本的な指針というのですと非常に厳しくて、 「社会保険労務士に、仕事を渡す余地などあるか」といわんばかりの書き方のよう に私にはとれました。 ここで、ちょっと場合を分けてみます。弁護士の業務というのは、訴訟の代理、ある いは、第三者との交渉、まあ、警察との交渉も第三者との交渉と考えても良いと思う のですけれども。刑事事件は、全部弁護士の仕事といっていいでしょうね。司法書士 さんが、「簡易裁判所で代理権が欲しい」といわれた場合も、たぶん民事を念頭にお いて、刑事事件は念頭にはおいていないと理解しているのですが、皆さん方も同じく 「簡裁代理」といわれても、「労働事件で刑事になった事故をやりたい」といってお られるのかどうか。たぶん入ってないだろうと理解しているんで、本当は刑事はずし てよいのですが。弁護士の仕事で、訴訟の代理、あるいは第三者交渉、あるいは、警 察とか検察なんかの交渉とかね、被疑者との接見とか、そういうの含めてですが、あ とそれから、単なる法律知識の提供なんですけれども。紛争のあるものと、ないもの を分けると、そういって考えていこう。それで、先ほど申しましたように、今の判例 では、「紛争のない場合の法律相談は、もちろんどなたでも出来る」と、「紛争があ ったら、弁護士の独占業務です」となっているわけですね。 ここをちょっとふまえて考えていこうと思うのですが、契約代理というものを認めたら、 相手との交渉も出来ると。その依頼者から委任状をもらって、契約書を作るというのだっ たら、当然相手との交渉するということも入ると思うし、簡裁代理権があれば、当然相 手との交渉権もあるはずだという形で考えているのですが。それで、訴訟代理について どう考えるかということです。 一つの考え方では、「訴訟の代理も別に弁護士が独占する必要はない。もう完全に市場 に任せろ」という意見ですね。ちゃんと勉強してないんですが、スウェーデンではその ような制度がとられていると。弁護士は、単なる名称独占にすぎないということなんだ そうです。一つの考え方としては、「お客さんが選べばいいのだ」と、「だめな弁護士 に頼めば、自己責任で損するだけだ、しっかり探しなさい」ということですね。市場原 理を徹底すればそうかもしれないけれども。ちょっと私は、気になるのは弁護士の場合 は、依頼者が損するだけでなくて、裁判所と相手にとって迷惑だと、国家、裁判という公の 制度を運営するのに、素人があれこれ代理するとなかなかうまく運用できなくて、国家と して非常に迷惑だという考え方があるのではなかろうかと思っているんですね。もちろ ん「本人訴訟というのがあるのだから素人がやっても」という意見が直ぐ出るのだけ れども、本人訴訟というのはお金もないというか、自分で出来るという人が自己責任 で自分だけでやるわけですが、代理というのは、お金をもらっていろんな人のことを たくさんやるわけですよね。そういう方が、「実は本当は能力がない」ということで あると、裁判所が大変迷惑なわけです。これはいろいろな意見があるようで、実は、私 もそんな実務を知っているわけではありませんが、大変昔コザキ キュウチョウという、 もう古希ぐらいになられた大阪地裁の非常に有力な裁判官がね、訴訟で、「役所だった ら指定代理人といって役人ならそのまま出てくる。会社なら支配人という形になってい ると、会社の代理人になって出て来れる」というのだけれども、「へたくそな証人尋問 してさ、本当に困る」と「こっちの釈明もよく通じていない」とか言ってね。怒ってい たわけですね。 裁判所としては、「やっぱりそれでは困る」というので、訴訟の代理は基本的にはやは り弁護士の仕事だと、弁護士の場合は訴訟の勉強をしている、ということになっている。 人にはよるかもしれませんが。一応基本的には皆さん勉強するということですから、制 度的には担保があるというわけですね。それから、代理人ということになるとね、簡裁 は民民の紛争ですから、べつにかまわないと思うのだけれど。一般的な代理権を持つと なると国家と戦うことがあるわけですね。特に行政訴訟の場合そうだしね。そうすると 「国家と戦うだけの元気があるのか」ということになります。 税理士さんの場合は、僕は、税務訴訟の代理というのは、普通考えたら、適当ではない んだろうという気がしているんですね。 税理士さんは大蔵省の監督を受けている立場で、それなのに税務署長相手に、国税不服 審判所長相手に、訴訟起こして、堂々とやりあえるという人、そんなに普通にいるのだ ろうかと。それは、例外とかいるでしょうけれど、制度として認めたからには一般的に そういうことが出来るということでなければいけないわけですが、はたして大丈夫なん だろうかという気がしているわけですね。 司法書士さんが「簡易裁判所の代理権ほしい」といった場合もそこで、国家相手に訴訟 やるのだったら、どうかなという気がするけど、簡易裁判所で国家相手の訴訟は、めっ たにないですから、まあそれは問題ないだろうと思うのですが。 国家相手の訴訟となると、しかもそれが、監督されている役所相手の訴訟ということに なると、ちょっとどうかなとよく言われているわけです。それで、弁護士会というのは 非常に強力な自治権を与えられているわけですね。詳しくこれも知りませんが、諸外国 に比べて日本の弁護士会の自治は非常に強力だとよく言われていますが、そうだとする と、国家権力とも対決できるということなので、そういうようなことやるのは、もう弁 護士に任せようと。私の商売に行政訴訟なんていうのだと、やっぱり、役所から監督受 けている商売だとやりにくいだろうと普通は思っているわけです。 それから、次の他の「士」業の訴訟代理権というところで、さっきちょっとしゃべって しまいましたが、日本の制度というのは、弁護士が上に立って法律事務なら何でも出来 る。ほかの「士」業の方はそれぞれ縦割りの分野でそれぞれのところで業務独占が認め られてきたと。分業序列型なんていうのだそうですけど、他の「士」業かどうかで、参 考までに他の方、いろいろ挙げてみますと。 まず、弁理士さんの場合、弁理士さんについては、相当権限広く認められているのです ね。いままで、特許庁に対する特許などの出願手続代理の他に不服審査の代理、法廷で の陳述、あるいは、審決の取り消し訴訟の代理人まで、認められていたのですね。審決 の取り消し訴訟では、もう弁護士と同じようにやるという非常にすごい制度。ただし、 民間同士の特許権侵害訴訟については、代理権がなかった。それで、弁理士さんは、 「それも俺達にやらせろ」と、「弁護士に特許なんか分かるわけはない」というわけで すが。まあ、特許だけじゃなく、訴訟手続のこともからむので、どうしようかという難 しい問題があるわけですね。 今年の弁理士法改正では、弁理士の訴訟代理権までは、認められなかったのですが、 だいぶ進んだ。今まで弁理士は、法廷に 立つときに単に、陳述出来るというふうになっていたのです。今度は、陳述の他に、尋 問も出来ると。ただしゃべるのではなくて、相手の方がここおかしいのではないかと言 える。そういうのはおもしろい。 ちょっと余談ですけれど、私、こういう商売やっていますと、いろいろなところで意見 書求められたことありますが、そうするとまたこの意見書というものについて、証人尋 問という形で裁判所に呼び出されて「言え」ということあるわけですね。私はあれ大嫌 いで、お断りするんですね。なぜかというと、事実の証人でなくて、法律論でしょ。そ んなの大体全部覚えているかいなとね。証人尋問とは、一方的に聞かれるだけなんです ね。あらゆること全部覚えて答えなければいけないんですね。そんなことできるわけな い。裁判官だって、弁護士だって、そんなことできないですね。彼ら出来た文章見て、 あとでゆっくり判決書いているだけなんですね。そうでしょ。その場で全ての事、答え るなんて出来るわけがないのにね。そういうことやれといわれて、しかもこちらから 「あんたの言うことはおかしいでしょ」という反論は一切許されないのですね。だから いろんなことを向こうが言ってくる。「そんな説は始めて聞きました。どこへ書いてあ るんですかねえ。私は、知りませんけど。」なんていいかげんなことを言って反論したこ とにしていますけど。あれおかしいので、僕は「証人尋問ではなくて、弁護士の補佐人 にしてくれ」と。そして「相手の言うことその場で反駁する」と。「要するに四つに組 んで、負けるんだったらまあまあ、あきらめる」と。「だいたい、四つに組ましてくれ なくて、負けるのはかなわん」と、こう言っているわけですね。 それで弁理士さんね、法廷で陳述するだけじゃなくて、尋問もできると。弁護士に近くなっ ているわけでね。だけどまだ代理権なくて、それで代理権認めろというのが今議論されて いるのですが。頼むほうから見るとね、弁理士に頼む他に弁護士にも頼まなくてはいけな い。「二重払いになるじゃないか。それ、かなわん。」「弁護士さん、どうせ書類運んで、 訴訟手続やっているだけで、しかも法廷であきれることに、いったら直ぐに陳述します次 回の打ち合わせしかやっていない」と。「なんであれに金払うんだ」と皆さん思うわけな んですね。 よく気持ちわかりますが、ものの考え方。だから弁理士に代理させろと言う か、それとも、もう規制緩和で弁護士の報酬規定を取っ払おうと。今は、訴額掛けていくら と決まっていてね。プラマイ30%なんか動かすだけで、ということをしているんです ね。そうすると大部分は弁理士がやるのに弁護士もからんだというだけで、弁護士が、 がっぽがっぽともらえちゃう。こんな馬鹿な話はないんですね。だからあれ規制緩和し ちゃっていけば、そしたら弁理士もやる、それで「ちょっと弁護士さん、お手伝いして 下さい。」「なら、普通の事件と違ってずっと安くしますよ。」こういう交渉すればいい んだよねえ。弁護士の方だって報酬規定がなくなれば、じゃあ自分の手間隙との関係で 決めるだけですから、それだったら、僕は、弁理士に代理権認めなくったって上手くいく だろうと思っているんですけど。そう考えるか、そんなのめんどうくさいしどうせ訴訟 と言っても簡単なことやっているのだから弁理士に認めちゃえと考えるか、その辺まだ 自信ありません。水掛け論。僕の頭の中では、水掛け論になっています。ただ、弁理士に 訴訟代理権を認めるなら、やっぱり民事訴訟法のある程度の知識が必要だと。特別研修や って、合格したと、そういうような仕組みがいるのではないかという気がしますが。 いろいろなところで研修があるんですけど、たいてい寝てても修了証書もらえるのが多 いですね。いや、こちらはどうやっているか知りませんけど。ちょっとこのまえ行政書 士会の新人研修へ行って、しゃべったんだけど、当時そのまま皆さん修了証書をもらっ てましたけど。別になにも覚えてなくても、寝ててもちゃんともらえるはずです。だから、 「それでは、困るので」と考えるかどうかですね。それとも、「市場で全部考えてしま え」と。「自分は、これだけ勉強が出来るのだからとお客をとればいいので、公の機関 が認定する必要がないんだ」と考えるかですね。 次に税理士さんの場合ね。先ほどもちょっとお話しましたが、税理士についても 「税務訴訟の代理権認めろ」という議論あるのですが、そもそも今の税理士試験では、 訴訟の代理の能力を確認してはいないんですね。じゃあ、特別に、民事訴訟とか行政訴訟 の試験をやって受かった人だけということをするか、ということになるのだけれども、 でも弁護士の場合は、司法修習までやって、実務の練習をしているわけですね。まあ試 験とは、書くだけではないので、ちょっとやそっと勉強して弁護士並になるだろうか ということがあるのだけれど・・・。それより僕は、大事なのは、先ほどお話したよう に普段、税務署とどちらかと言うと仲良くやらなければ仕事ができない商売なのだけ れど、けんかできるんだろうか。だいたい日本では税務署相手というと、あまりない。 少しあるのですけど。ないのは何でかと言うと、税務署長相手に争うと、とにかく洗い ざらい調べられるのですね。だからいくらたたいてもほこりが出ない人だけしか、な かなか訴訟を起こせないのですね。税理士さんだって、「おまえこの訴訟やっている のか」と言われて、厳しいこと言われるから。ほこりがでなくったって、役所に甘くし てもらえれば、助かるはずが、甘くしてもらえないとかね。いろいろ心配するわけで すよ。なかなかその覚悟が出来ない。役所と普段関係ない人だったら、役所相手の 訴訟はやり易い。 だから行政書士さんのお手伝いをしているけど、彼らも訴訟をやる元気はたぶんな いだろうと思っているんです。司法改革で、行政書士会の会長さんは「指定代理権」 とか何とか言っていたけど、本当はほとんどそんなこと関係ない。行政書士の仕事 は、実はそれで広がるわけじゃない。本当はそこじゃないんだと僕は言ってきました けど。 それから、行政訴訟になると、簡易裁判所じゃないんですね。地方裁判所の管轄なん ですね。その点でも、さあ、弁護士じゃないかなと。そこまでいかないで、法廷で補 佐人として出たらどうだろうと。弁護士がよく知らないことを、補佐人として説明 する。今の制度でも裁判所の許可を得て補佐人になるという道、あるんですけど、裁 判所がこれ、冷たいんですね。まあ、判例では、両方あるけれども、否定したほうの判 例では、「弁護士が代理している以上、税務事件は分かるはずだ」と「、弁護士は、法 律家なので、税金は全部分かるはずだ。税理士がくっついてくる必要はない。」こう いうこと言うのですね。僕はこれは法律家のおごりだと、法律問題全部分かるなんて と、医者だったら癌から水虫から何でも分かる、それこそ目から何でもわかると一緒じ ゃないか。そんな所に頼みに行く患者はいるのかでしょ。 皆さん、ちょっと重い病気になったといえば、日本一の名医を探そうとするでしょ。 まあ、日本一かどうか知らんけれど、神戸の中で一番いい人は誰か一生懸命探します よね。そんなものであって、医者だったら誰でも立派だなんて、誰も考えてないです よ。ところが、法律家というのはね、法律家は何でも分かると、裁判官は両方に主張 されたらぴたりと分かると思っているんですね。あんなふざけた話は、ないんですよ ね。なんでもいっぺんに分かるということは、百貨店みたいなもので、どうしても判 断がのろくなるか、お門違いの判断をしやすいかで、まだまだ専門化しなければいけ ないのですね。 ちょっと余談になってしまいました。日本の裁判所はなんでもやっているのですね。 ドイツの裁判所は、ちょっと極端かもしれませんが、通常裁判所の他に、民事、行政、 税金、社会裁判所、と分かれているのですね。しかも行政裁判所では、連邦行政裁判 所、最高裁判所ですね、憲法裁判所は別にありますけど、連邦行政裁判所が一番上。 これに、裁判官が、60何人か70人くらいいるのですよ。とこでね、部が分かれていて、 建築法なんて部があるんですね。日本ではそんな事件、全国に何件あるのか、という 感じだけれど、あちらではいっぱい、裁判官がものすごく専門、分科してやっている から、その辺のことは、皆詳しいわけですよね。大学教授ははるかに専門性がないん ですね。それは、皆さんもそうであるけれど、大学教授が労働法をやっている人が、皆 さんほど、労働関係の法律が詳しいかというと、そうではないというのと一緒で、日本じ ゃ何でもやってしまうから、それは、やりすぎではないかとうので、いままでちょっ と話、取り出してきたけど。裁判官はそういう意識でいるものですから、「弁護士であ る以上、税理士を連れてこなくてもお前、分かるはずだろう」とこういうのですね。そ れはやめて、やっぱりそれぞれ専門家を連れてくるというのでいいのではないかと、 僕は思っています。税理士関係の改正では、裁判所の許可なくても、税理士は裁判所 に出廷して、陳述して、尋問できるように改正すべきではないかと。 弁理士のほうは、そうなっているわけですから。まあ、弁理士法と同じくらいにし てもいいのではないかと思っているわけです。 社会保険労務士さんだって、同じような主張ができるだろうと、やっておられるわけ ですけど。弁理士さんとの比較で、そういったとこまでは、採用していただける筋で はないかという気がしているのです。 その次、司法書士の場合、簡易裁判所民事事件については、司法書士さんが「代理 権をあたえてほしい」と言っておられるわけです。その根拠ですが、そもそも、弁 護士が簡易裁判所の事件を代理するのが、ものすごく少ないのですね。統計をとっ たのだけど、ほんのちょっとしかやっていないのです。本人がやるか、特にサラ金 なんかは、会社がやっていますけどね。個人のほうは、本人がやるかというのだけ れど、本人は何をやっていいのか分からない。それで、司法書士さんが、裁判所に提 出する書類の作成は、業務になっていますから、司法書士さんに書類を書いてもらう。 だけど、裁判所に行くのは、誰かというと、本人なのね。司法書士さん、心配だから隣 に見ている、廊下で見ている、廊下で打ち合わせしている。よく言われているわけで すよね。そんな形で応対している。そんなことなら、もういっそのこと、司法書士 さんに代理権を認めたほうが裁判所でもやり易いのではないかというのが、一つの 議論と、あと、法廷活動するには、法曹資格、弁護士資格が要るのだとこういってい る議論、片方あるのだけれど。よく考えると、簡易裁判所の判事というのは、必ずし も、弁護士資格持ってないのですよね。裁判官と弁護士、別だというと、ちょっと 頭回らなくなるんですが、簡易裁判所判事というのは、司法試験、通ってなくても、 裁判所事務官とか、何かから、功なり、名を遂げてなっている人がいるわけなので す。もちろん優秀だからなっているわけで、むしろ、新米の弁護士より優秀なのかも しれないのですが、法曹資格なくても、優秀な人は簡易裁判所の判事になれるわけ ですよ。 司法書士さんだって、特別試験でもやって、訴訟関係の能力あると確認できたら、 簡易裁判所の代理権あたえられてもいいのではないかと。そういうふうにするこ とが、利用者の利便に寄与するという考え方ですね。「司法書士さん、儲かるので はないか」というだけでは、世間は動かない。「ごもっとも」と言わないと。 我々一般庶民がお願いしようと思っても、弁護士は、そもそもやっていないと。 だったら司法書士さんにお願いすると、一番近道だと、実績もあるということです よね。ところが弁護士会の話ね、社会保険労務士さん場合は、簡易裁判所の代理権 と言ったって実績がないのではないかといわれているのですね。この点私は分か りませんので、後でお教えいただいたら助かるのですけど。簡易裁判所の提出書類 今まで書いていると、裁判官にこう質問されたら、こう言ったらいいとアドバイ スしているという実績があると、「じゃあ正式に認めると、言いやすいのだけれ ども」と言われるわけですよね。その辺どうなのかね。もちろんそれでも、ちょっ と繰り返しになりますが、弁護士が訴訟代理権を独占しているのに、しかし簡易裁 判所事件はやらないというのなら、きわめて不正義だと。だったら、弁護士は自分 達がやるか、そこを開放するか、どっちかだというわけですね。それで法曹人口 を増やすというのが、弁護士がその辺まで立ち入ると言う話もあるんですね。 僕がよく分からないのは、弁護士は儲からない、しかし、司法書士だったらやれ るというのは、なんでなんだろうね。弁護士は高額所得者で、司法書士はそうで はないという前提みたいだけれど、僕は詳しくは、知りませんけれど、弁護士でも そんなに儲かっていない人もいるし、司法書士でも、ガボガボ儲かっている人もい て、行政書士さんでも本当に、億、稼いでいる人もいるので、人によるみたいで、 ただ平均したら、たぶん弁護士のほうが上で、司法書士のほうがちょっと下なのか もしれませんが。弁護士は当然敷居が高くて、となるのかどうかね。簡易裁判所事 件だけまとめて扱って、数万ずつ扱って、一日何件も来るということになっていれ ば、ゆうゆう食っていけるのではないかという気もして、よく分からないので、む しろ、その辺市場よく動く仕掛けを作っていくことが大事なのかなあという気がし ているのですが。どうなんでしょうね。 とにかく法曹人口を増やせば、簡易裁判所の前に店を開いて、簡易裁判所事件をど んどん引き受けるという弁護士が増えるというのを、あてにするのですが。そうい うことを言っても、いつになるかというのと、弁護士にそういうことをさせようと 圧力かけるためには、他の「士」業がここへ出ているということも必要だというこ ともあるわけですね。他の「士」業もとりあえずここに入っていって、弁護士も入 っていって、食い合いして、お客に好まれるほうが勝つのだというのが、今の司法 改革の一般的なスタンスですね。皆さんは、大変恐縮ですけど。こんなの親方日の 丸のポストにいて何ぬかすのだと怒られそうな気がするんですけど。私のようなポ ストは、親方日の丸ですから。だから、怒られるのが、よく分かるのですけれど、 私の立場ではなくて、今の流れはそういうことです。それで、あと、細かいことを 言うと、簡易裁判所の代理というけど、そこで相手が争って、控訴、上告すると、 私は憲法違反だから、最高裁までいくというもの司法書士さんにまかせるのだろう か。そっちは、弁護士なのだろうかという議論があるはずなんですが、勉強不足なの か見たことないのですね。どっちにしたらよいのでしょうね。額が小さいのだから、 司法書士さんにやらせるという考え方と、しかし、憲法問題となれば重大だし、相 手も上まで争うのだったら、難しい法律問題も含まれているのも多いのだから、弁 護士にやらせたらどうだというのは、たぶん分かるんのでしょうね。 その次社会保険労務士さんね。本当は、あとで、皆さんに教えていただくと言うこ とで、パスしたいのですが。皆さん方ね、今日の大会の資料にもありますように、 「簡易裁判所の代理権が欲しい」とか、「労働紛争があっても、そのまま相談を続 けたい」とか、「地裁以上でも、出廷させて、陳述させてくれ」と言っておられる わけですね。ちょっとあまり自信がないことを申しますが、若干気になるのはね、 やっぱり今、社会保険労務士さんの試験科目ね、これ労働基準法とか、労災法とか、 保険と年金という法律なのですね。憲法とか民法とか、そういった法の基本的なも のが入ってこないのですね。それで、私の商売の行政法というのも入っていないわ けですね。そうするとね、本当に事件になった時、とことんやってくれるのだろう かというのも気になって、やはり訴訟そのものは、やっぱりどうかなと、とりあえ ず思っているわけ。 ただ、こちらの河野順一先生の本「ドキュメント社会保険労務士」というのはこの まえいただいて。要するに「本日のために予習して来い」とこういう趣旨だと思った ので、一冊読みました。さっとね。なるほどね、具体的事実をしっかり認定して、何 とか助かる道はないだろうかと一所懸命調べられて、事実をしっかり把握、取捨さ れて、審査請求とか何かでね、逆転裁決とっていってね。よく説得されるという、そ ういうご活躍ぶりが載っているわけですね。それは、裁判所だって同じわけなんで すね。そういうことができるのだったら、訴訟出来るじゃないかとは思います。ただ、 それがね、本当に一般的なんだろうかとね。ある程度一般的でないと、皆さんに同 じ資格認めるというわけに行かないわけですね。たまに、そういうよく出来る方が おられるのか。しかも、たまたまその方が、いやたくさんの人が、どうせ計れない から、何か制度的に担保されているかということなのですよね。そこで、あまりよ く分からないので、教えていただくということでいるわけです。 この前、社会保険労務士さんから私のところに質問状が来たのですよ。それが、こ ういうことですね。ある人が、会社に勤めていた時に、ケガをしたと。標準報酬は30 万よりずっと高かったと、傷病手当金というのを、標準報酬の6割もらえると。会社を 辞めたと。辞めたままだったら、標準報酬を6割をね、1年6箇月、毎月手当金として もらえるのですね。これ会社やめたときに、任意継続被保険者という手続をとったと。 そしたら、その時の標準報酬は自分の今までの標準報酬ではなくて、全労働者の平均と 言うので、30万になってしまって、それを基礎にして傷害手当金をもらうということに されて、下がってしまった。「なんでや、これ憲法違反ではないか」と、「あるいは社 会保障の原則に反するのではないか、この不況の時になんだ」ということで、「学者の 意見をもとめる」といって問い合わせていただいたのですね。皆さんどう思われます か。お分かりですか。分かる。どんなです。うん。できないってね。 じゃあ、皆さんはどういうアドバイスされる。今までね、標準報酬60万、その6割もらっ ていて、会社やめて任意継続すると30万の6割になってしまうと。それだから、あなた任 意継続しないで、とりあえず、国民健康保険に入って、1年6箇月たってから、いまさら健 康保険ははいれないけどね、でも国民健康保険ずっと続けるのだけど、「どっちが得 か計算してみましょうか」というアドバイスされるんですか。あっ、やっていただい ているの。そうしたら、こんな問題起きないのにね。会社辞めるときにね、「被保険者 続けますか」といわれて、「20日以内に手続しろ」といわれるから、「さっと書いて しまう」と。「そうしたら手当金が減ってしまった。どうしてくれる」という話なん ですね。こういうの、窓口で分かりやすく書いている物、あるのと聞いたら「ありませ ん」といわれたのですけど。僕の主張は法の明確性の要請というのだと、こういうこ とは、分かるように法律で書いていなくてはいけないし、窓口で分かるようになって いなければいけないしというのだけど。皆さん、それは、分からないようになっている から皆さん方、「飯の種です」という話あるのだけど、皆さん方の飯の種って、間に合 ってないのですね。だって会社辞めて、被保険者手続やるからといって、いちいち相 談にいかないもの。誰でも自分で出来ると思っているから。それでやってみて、損し たっていうやつでしょ。それで、憲法違反とか言っているけど、「憲法の何条に違反す るのですか」と聞いたら、「25条の生存権」って言ってこられてね。 生存権なんてとても関係ないね。傷病手当金が安くなったからといってね、食ってい けないかどうかは、全然分からないのだから。ちょっと悪口いっているのは、この社 会保険労務士さんの場合、憲法、あるいは他の法律と照らして、この仕組みは違法だと、 十分主張できる力はとうもなさそうだと思ったわけですね。 それで、河野順一先生にも問い合わせたら、厚生省にも問い合わせたら、答えはこうだ ったのですね。会社を辞めて手当金もらうということね、従来の6割もらうというの は被保険者資格失った場合、継続したら、被保険者資格失っていないと。どっちかだと。 任意継続するのなら、ずっと被保険者資格つながっていて、その時は、標準報酬とい うのは、30万です。その6割しかもらえません。そうでなければ従来の6割もらえ ます。どちらか選択です。法律上どちらか選択するようになっているので、好きなほ う選んだのだから、どうしようもないという説明ですね。多分ね。ただちょっと気に なるのは、もともと給料高かったと、傷病手当金というのはね、今入った新しい保険 の対価ではなくて、もともと払った保険の対価ではないかと言ったらね、従来の保険 料に合わせて傷病手当金も従来の標準報酬の6割もらっていいのではないか。それを 何で、被保険者の任意継続したら、こっちまで損するのだというのだけど、それは、 任意継続するのは、普通は出来ない。本来なら国民健康保険へ行くべきところ、健康 保険が救ってあげるのだから、片方損するのは、やむをえませんとこういう説明する んですね。そういうふうに考えるかどうかね。しかもこれは、法律に書いてあるとい うことになりますと、憲法違反だという議論をしなければ、勝てないわけですよね。 憲法何条に違反するか、それとも立法裁量なのかどうかという議論なのですね。 憲法違反と仮にするとすれば、もともと会社辞めるときもらえたはずのものが、削ら れちゃう、財産権侵害だと考えるか、被保険者の資格を任意継続したという身分を理 由に下げられるのだから、憲法14条、平等原則違反なのか、いやそこまでいかないと 考えるか、というその辺の憲法論になるのですね。その方と、何度もメールやり取り したのだけれども、「とにかくおかしいのではないかと」何度も言われて、法律論、 憲法論には全然来なかったので。まあ、ちょっと悪口言って恐縮ですけど、それでは とてもじゃないけれど訴訟の代理までは、出来んなあという気がしたの。この方は社 会保険審査会に審査請求もしたのですけど、それいただいたのだけれど、その主張が なっていなかったので、ちょっとひどい言い方しました。「これは、弁護過誤だね」 と言ったから、怒られちゃったんですけれどね。負けるにしても、もっとまともな理 由つけていただかないと、いけないと僕は思ったのです。「役所の方がろくな返事を しない」とさんざん怒っておられるのですが、「あなたの問題の出し方が分かりにく かったので、役所としては、まともな返事をしていないのだ」と僕は返事しちゃった んですね。ちょっと、返事するの荒っぽく書いてしまうものだから、人を怒らせるの ですけどね。申し訳ないんですけど。まあまあ、そこまで来ると、もう、行政訴訟で すから、弁護士に任せたらという気がしているとさっきの話ちょっとしたところでね。 そこまでいくのではなければ、皆さん方、大いに頑張られたらと思うけど、審査請求 のところでももう少し勉強してやられたほうがいい方も、おられるなあとちょっと思 ったわけ。これ、弁護士にやらせたら大丈夫だということでは全然ないんですね。も ちろん大学教授にやらせたら、大丈夫ということは全然ないんだけど。弁護士も、と てもとても。行政訴訟やっている弁護士、たくさんいます。今、東京の外形標準課税 というのが、争われているでしょ。法人事業税ね。ちょっとあれ知っているのですが、 あの弁護団書いた準備書面、ひどいね。僕が代わりに書いてあげたいと。作戦も悪い ねとちょっといいかげんに言ってきたのだけど。 ちょっと違うけど弁護士がだめなのは、大阪でね、大阪ガスと和歌山ガス会社が、 和歌山関係のガスの領分争って、許可、分捕り合いしたと。通産大臣が大阪ガスに許 可やって、近畿通産局長が和歌山のガス会社に拒否した。こういう事件で弁護士が、 依頼受けて、訴訟を起こしたんですね。それで、「通産大臣が大阪ガスに許可やった。 これを取り消せ。」という訴訟を大阪地裁に起こしたのですね。ところが、「行政訴 訟は被告の役所のある所の地裁でやれ」ということになっているから、通産大臣を被 告とするなら、東京地裁なんですよね。それで「大阪でなくて、東京地裁だ」といっ ても、出訴期間が過ぎているのですね。それで、「間違えました。変更させてくださ い。」と言っても、「お前ら、弁護士だろと。弁護士がそんな簡単なこと、間違えた ら許さん」と裁判所からはねられちゃったらしいですね。 あと、和歌山のほうは通産大臣から近畿通産局長に権限委任されている。近畿通産局 長名で不許可になっているのですね。それだったら、近畿通産局長相手に訴訟起こす のが、行政法の大原則ですね。ところが、法律で、通産大臣と書いてあるので、通産大臣 相手に訴訟起こしたのですね。「あ、それも似たようなものです。役所は親分子分な んだから。間違えました。ちょっと替えさせてください。」と言ったのだけど、行政 事件訴訟法では、重大な過失がなければ変更できないという規定があり「こんなもの 重大な過失か」といわれてパアなんですね。もう出訴期間もすぎていますから、やり なおし、きかないですね。この弁護士ね、本当に初歩的なミスで依頼者に大損害、与え たのですね。だから、弁護過誤というのだけを、商売にする弁護士やって、儲かるんじゃ ないかと、そういう事件だけを掘り出して、と言いたいところで。この弁護士だって、 損害賠償請求でね、こんな初歩的なことを知らなかったんだから、と言いたいけどね。 弁護士に頼むといいとは限らないですね。皆さん方も訴訟やりたいといわれるけど、 逆にいうと、責任が重いと。だから、権限広げるといっても相当自信がある方以外は やらないほうがいいし、やっぱり組織の信頼性もあるから、相当努力して、実力をつ けてから、やるといったほうがいいのではないかなと。ちょっとよけいなこと。 でもこれから、弁護士は広告も許されますから、「私これやっています」と「やってい ません」とか。お客もやっている所に、頼みに行くと。お客はわからないから、「弁 護士なら、行政訴訟でも特許でもなんでも分かる」と思って頼むということがあるん ですね。「えらい先生だから」ということでね。余計なこと言いまして。 それで、労働争議のほうはね。社労士の方が「事務所の労務管理の指導していた」と。 「ところが紛争が起こると手を引かなくてはいけない」と。これ、「非常に不便だ」 といっておられて。おっしゃる気持ち、よくわかるわけですが、私、非常に不勉強で、 社労士さんが労働争議段階になっても、なおかつ相談してたら、どのような弊害があ るのか、具体的に弁護士会が言うのかね、それとも具体的に教えていただいて、考えて みたいと思っているわけです。 じゃあ、立場変えて、反対のほうから見るとどうだってね。こちらの文章みるとたい てい「俺はこれやるな、やりたい、やりたい」と言われるわけですね。実、行政書士 会のほうもね、司法改革がらみで、あの「いろいろ仕事やりたい」と言って24項目 出しているのね。理由と言うのはほんの数行だけでね。「国民の利便に寄与する」 とかね。そのへんがパッパと書いているだけなんだけど。逆にね、反対の立場になっ たらどうなるのと言っているものですから。これどうなんだろうね。反対の議論っ てあるのだろうかと。 あとね、簡易裁判所代理っていうのは、皆さん方、あまりやっていない実態だっていっ たらね。どうなのか必要性はあるのかということもあるけど、でもちょっと自信あり ませんが。まあ、司法書士さんに認めるっていうんだったら、そんなに違いもなかろう という気はしています。 その次、行政書士さんの場合はね、簡易裁判所の方は、およそ実績もないし、僕はやり たいと言わないでいいんだと。僕は行政書士さんの場合は、むしろ契約の代理権をとっ たらどうだというアドバイスをしています。ちょっと後のほうで書いてありますけど。 あの「なんのことだ」というと、弁理士のほうがね、今特許がらみで契約代理権、取っ たんですね。ただ契約取るだけでなく、相手と交渉できるわけですね。行政書士ってい うのは、権利義務に関する書類作るんだけど、頼まれて作るだけでなくて、どう作った らいいか相手と交渉する必要があるわけですね。そういうこと、正面から認められたら、 非常に助かるはずだし。今回の弁理士法の改正で、行政書士もやっていた特許がらみの 事件。それ、弁理士がやる時に代理権があるということになったから、行政書士にそれ を認めるについて、弁理士会から文句を言わないという覚書が交わされたのですね。 行政書士法の改正で、行政書士にも契約代理権認めるという、べつにそれは特許がらみ ではなくて。特許に代理権を認めるのなら、みんな一緒だろうといってもいいのではな いかという気がしているわけです。ちょっとこれ、自分の宣伝ですが、僕ね、行政法だ けなくて、最近借家法にも口出したんですね。この僕の本の中でも「定期借家の賢い 貸方、借方」というまるで僕の本読まなければ賢くないみたいなひどい言い方して、目 を引くようにして、作ったのがあるのですが。定期借家法作るについては、僕らの一味 といわれるのがね、一生懸命運動したんですね。詳しく知っているつもりでやったん ですが。定期借家の場合は、期間を決めて、期間過ぎたらもう一回契約しなおして、 それで、今までと違って契約内容かなり自由に作れる。「じゃあ期間何年なら、家賃 いくらにしましょう」と、「途中で出たらどうなの、途中で出ることは出来るの」と かね。いろいろな特則つけることが出来るのです。特に事務所なんか完全そうですね。 そうすると、相手と話し合って、特約いっぱい書くわけ。僕だと「家賃を払わないで、 しばらく不在だったら勝手に家財道具放り出してもよろしい」という特約条項いれる っていうわけ。今それがないから、いなくても訴訟起こして明渡し判決とって、しか も執行して、せんべい布団誰も買わないから、自分で契約してとアホなことやってい るわけですね。それで100万もかかっているわけ。それを、阿部説だと、「そんなの パッと追出せる」ことになるわけ。そういう特約条項いろいろ書くと。こういうこと になると、相手と交渉することになるし、今までの行政書士の権利義務関係の書類を 作成するだけでなくて、代理権欲しいというわけですね。僕はそれまで認めてもいい、 どうせ事実上相談しているのだから。そうでないと仕事が出来ないのだからと思って いますけど。 ま、それで、あと、ここの話。不服審査の代理っていうの書いておいたけど、たぶん そうですね。これはもう、社会保険労務士さんについては、片付いちゃったんですね。 二年前にね、社会保険労務士さんについては、審査請求の代理権あると。こうなった から、もういいと。残っちゃったのが、行政書士なんですね。ここでお話してもしよ うがないのですが、まあ、ここまできたら、行政書士に認めたらという気は、僕はし ているというのは書いているわけです。ちょっと勉強不足なんだけど、社会保険労務 士法で、社会保険労務士さんの仕事は、申請することとその手続の代行とあるんです ね。だけど代理はないんですね。あれ。それで審査請求は代理が出来るんですね。こ のへんのところ、調和とれているんでしょうか。代行っていうのは、ただ伝書バトみ たいに持っていくだけみたいで、やあこれ役所からどうするかという時、代理人だっ たらその役所の意思表示を受けたって、本人に代わって言えるわけですね。代行だと ね、それ言えないんじゃないかと。行政書士さんもそういう問題あると言っているわけ ですね。審査請求に代理を認めたし、もちろん本人出頭が必要な場合別ですけどね。 本人出頭が必要でなければ、もう代理権、申請の代理が要るのではないか、審査請求的 に、代理が出来るのに、何で、申請の時に代理が出来るって書いてないのだろうって教 えていただければ助かる。皆さんよく分かっていて、「お前が分からないだけだ」 と言われるんじゃないかと思っていますけど。 ま、それでね、あと、契約代理権あれば、第三者交渉出来ると。それで、社会保険労務 士さんの場合、こういう必要がどのくらいあるのかという、実は承知していないのです が、あるいは、もうとっくに片付いているかもしれませんが、賃金不払いだというと きね、じゃあ労働者と代わって会社と掛け合うというのは、相談業務とかなんとかでね、 片付くのか、やっぱり代理権とかあればね、堂々とやれて楽なのか、もめてきたら、下 手すると、弁護士法のほうでは、紛争性のある法律事件だから弁護士の業務であるとい われるのかね。大変申し訳ないんで勉強不足で。その次の話なんですけど、 (テープチェツク) 、紛争があるかどうかと言うと本当に分かりにくいと。相談 に来るには、たいてい紛争があるわけですね。紛争がなくて、相談に来て、金払うって いうのは、めったにない。じゃあ、全部断るかっていったら商売にならないわけです ね。まあ、社会保険労務士さんの仕事じゃないんだけど、たとえば、遺言をどう書く か、あるいは分割協議書をどうつくるかとかね、そういう話だと結局、もめてました ね、ということになると。そうすると、弁護士仕事。だから、仕事やりにくいと。それ と、まちがえたらね、処罰されるというのは、非常にきついと法の明確性の要請に反 するんですね。紛争があるかどうか、事前に確定できるものではないですから。 それと、弁護士は何でも出来るということになっているけど、そうですかね。弁護士 というだけで、何でも出来るというわけではなくて、むしろ年金だ、健康保険だ、とい うことになると、皆さんのほうが、はるかに詳しいわけですね。弁護士は何でも出来 ると考えるほうがおかしい。 そうすると紛争があるとかという程度だったら、もう弁護士の独占業務ではなくて、み んな他の「士」業に開放するというのうが、合理的ではないか。だから、皆さん方、紛 争性があるとかないとか関係なしにやらせろ、というのがいいんじゃないかという気 がしていたんです。そうでないと、皆さんは、ひやひやで業務やっているんじゃないか と思っていたんですけど。それで、こういうこと言うとね、悪徳弁護士が今でさえいる のだから、弁護士以外の人もね、紛争に関わることやったら、ますます悪徳が増える のではないかと、こういわれるわけですよね。それでどうしたらいいか、そういう対策 の問題になるのですが。まあ、まるっきり素人にまでやらせるとなると悪質な債務整 理者、整理屋なんていうのが出てくるから、丸きりの素人にはやらせるのではなくて、 「士」業の資格のある人に限定するのはとりあえずどうだろうかと思っているんです が。その次にね、お客がだまされるんだというのなら、情報公開を徹底すればいいんだ と。それで、情報開示というのは、今、弁護士に対しては、弁護士でなくちゃいかんと いう程度なんだけど。そうではなくて、法律相談する時に「私は、弁護士ではありませ ん」というのを、でかい字で書いておく。事務所にも書いておくし、名刺にも12ポイン ト以上のでかい字で「私は弁護士ではありません」とちゃんと書いておくと。それで もお客が「この方がいい」と思ったら、それでいいという言いかたなんですけど。な かにはだまされる人がいるでしょうということは、もちろんあるのだけど、でも、逆に 弁護士でなくても有能な人が仕事ができるようになって、良いサービスを提供できる ようになると。世の中、金ありの問題ですから、弁護士に全部独占させておくほうが、 良いサービスが提供できて、だまされる奴が、非常に少ないと考えるか、そうではなく て、弁護士ではない「士」業の方もちょっとぐらいもめごとがあっても、法律論くら い出来て、報酬もらえると。それで、皆さん入り乱れると。しかし「私は、弁護士では ありません、社会保険労務士です」とか「税理士です」とかいって相談に応ずるほう が、うまくいくのではかろうかという見方をしているわけです。 まあそこまで、またこういう風にすれば、弁護士会のほうでもそりゃいっぱい黒船が 来るだから、「俺達のほうがまともなことやっているのだ」と世間に訴えるようにな るんで。今でも悪い弁護士がいるじゃないかと、よく懲戒処分出てますが「もっとも っときちんと懲戒処分やります。我々のほうでだまされる人はいません」とか。だま された時は、僕はこうして欲しいですね。弁護士会が賠償すると。そうすると、みな さんのところも、だまされるひとがいると、会が賠償するというお話になるのですけ どね。そんなこと出来るかと言われるけど、いやいや、そういう悪い人を会員として、 抱え込んだ責任、悪い奴を会が賠償するということになったら、悪い奴は出ないよと会 として常に点検して、仲間内だから、まあまあと勘弁しておくということをやらなく なるわけですね。まあ、弁護士が悪いことやっても、仲間内だから、まあまあと、ち ょっと業務停止して、また商売できていると。そこは知らなくて、また引っかかる人 がいるとよく言われているのですね。会のほうがしっかり、厳しい懲戒処分をすると か、そういうふうなインセンティブになるだろうと思っているわけです。 まあ、あと、弁護士以外の「士」業の垣根の撤廃という話でね。規制改革委員会、こ れ4ページ一番下ね。「業務範囲が余りに細分化されている資格については、見直しし て、相互乗り入れしよう」というので、全部止めようとまでここで言っていないので すね。垣根を低くする程度の事、言っているのですが。まあ、それが非常に分かりに くくて「いっそのこと、全部撤廃したら」ととりあえず言ってみて、そうでなくても、 「とりあえず、垣根を低くして見たら」って言っているんですけどね。 ここで書いているのは、行政書士と司法書士なんですけど、農地転用の許可をもらっ て、農地を転用して、売ろうと思うと、農地転用の許可をもらうと。それで登記をしな ければいけないわけですよね。登記は司法書士の業務です。農地転用の許可は行政書 士の業務です。同じようなこと、両方行かなきゃいけないんですね。そんなアホらし い話、そのくらい片方の「士」でやってくれたらお客は助かると。じゃあ、司法書士が 農地転用の許可の申請をやったら、まちがいやすいか、行政書士がその登記やったら、 まちがいやすいかという問題とのからみなんですけどね。まだ、一般的になんでも不動 産登記をね、他の人がやったらまちがいやすいんだろうけれど。比較的単純なものなん か類型化して、自分の本来の仕事の延長線上でということで、認めることが出来ない かと。うまくまだ文章書けていないんですけどね。あるいは会社作る時ね、僕も会社 作るといっているのだけどね。定款を作ってもらって、最後の商業登記いくと、司法 書士なんですね。両方にとられるのは、かなわないなと。商業登記というのは行政書 士に言わせると「難しくない」という言い分で。 福島事件というのがありまして、お客のために、会社の登記を10何回くらいやったら、 司法書士法違反で捕まると。本人は「自分の商売の続きでちょっとやっただけだから、 こんなの犯罪じゃない」と頑張っていたけど、最高裁で有罪とされましたけど。 これ、解釈論でね。まあ、そうだけど、これくらい規制緩めたら、と思っているんで すが。社会保険労務士さんとほかの「士」業との間で、そういう問題あるのかどうか ね。ちょっと勉強不足で申し訳ないのですが。どういうところがあるんでしょうか。 あればね、もうある程度、緩めたら、という話で。 あとはね、公証人の話で、これは皆さんとちょっと違いますが。僕は非常に気に食わ ないと言うのはね、公証人というのは僕が会社を作っていくと、5万円といってね。阿 部の会社はちっちゃな会社だって言って、数行書いていてあるだけなんだけどね。 それと新日鉄でも同じ5万円。要するに価格決まっているから公証人と、交渉ができな いんですね。「やっている仕事は、高尚じゃないのになあ」と言っているのですけど ね。あんなものね、もっと市場原理でやったら、どうだろう。公証人の数、ものすご く制限しているんですね。もともと、試験のはずだったのに、100年間も試験やって いないで、法務省が天下りしているんです。そして、ポスト制限しているから、もう、 ウハウハでね。だから、最高裁判事、なれなかった人が、公証人やったら、最高裁判 事より儲かっているとね、よく言われている話でね。ふざけた話だと思って、あんな のもっと広く開放して、お客が選べて、「あそこの公証人さんは、まともなアドバイ スしてくれて、しかも後で間違いがない」と。「後で間違ったら、そこは賠償請求も できるようにと、あるいは、倍もらえるように」とね、こういう契約したいとこです ね、僕は、公証人のところで、公正証書で、「後で書類が間違ったら、トラブったら、 僕は倍くらいもらう」という契約しておきたいと思うのだけれどね。そうでもないで しょ。あれ、けしからん商売ですね。こんなものいらないところに「公証人」と書い ておいたほうがいいですね。まあ、公証人の方々からまだ、ひとつも文句、来ていま せんけど。たぶんお気づきないんだろうと思うけれど。お気づきだったら、どんなふ うに怒られるのかと思いながら、勝手にそう書いているわけです。 この規制緩和の時代にね、一番規制して、きついのはこれですよね。皆さんのところ は、こんな厳しく、独占企業になってないわけですから。だから、独占企業やめさせ る。それで競争して、良いサービスを提供させるというのが、今の時代の流れですか ら。こうみると、公証人は非常におかしいと。まあまあ、そういうことでね。 基本的に訴訟代理以外ね、簡易裁判所、まあまあ皆さんやってもいいけど、地裁以上 の訴訟代理は、弁護士にやらせるとして、それ以外ね、なるべく垣根を小さくする、 少なくすると。まあそれぞれ皆さん、独自の資格あるわけですから、全部取っ払うと いうわけにはいかないんでしょうけど。まあ、本来のところの隣くらいは出来るよう にとか、あるいは、少なくとも紛争があるのに、やれるようにとか、もう少し緩めて 行くと進めてきたんですね。具体的にどういうふうに文章作るかというのは、まだ、 練れていないし、司法改革の今の会議でも、何処まで進んでいるのかというのは、中 間報告がもう直ぐ出ますけど。 あれ、何処まで出るのか全然見当つかないですね。 ちゃんとした議論してなかったですね。夏、集中討議したって見たんですけど、ちゃ んと書いていないですね。さあ、どうなんのかね。今回、ちゃんと書かないで、最終 答申までの間にまた、議論してもらうということなのか。それだったら、皆さん方も その通り、具体案ね、反論ももちろん十分応えるような理由をつけて、出していくと いうことですね。まあ、あのどうでもいい話をしましたが、持ち時間ちょうどだと思 いますので、ここで終わりまして、あと、シンポジウムの時。またお教えいただけた らありがたいと思っています。 どうもありがとうございました。 |